「農業はきついってよく聞く…」「住み込み農業に興味はあるけどできるかな…」と、農業へのイメージを不安に思っている方も多いのではないでしょうか?
正直、「農業=きつい」は間違っていません。
ただ、これは楽しい農業を知らずにきつい農業を選んだ場合です。
農業がきついと感じるかどうかは「収穫物」や「時期」によります。
本記事では、きついも楽しいも味わった僕が「おすすめする農業リゾバ(楽しい農業)」「おすすめしない農業リゾバ(きつい農業)」をご紹介します。
僕がリゾバで農業をしたのは2018年の夏だったから、今回の記事では2021年にリゾバで農業をした人の話も踏まえて説明するよ。
リゾートバイト農業のお仕事内容は?
「リゾートバイト」と聞くと、観光地やリゾート地の宿泊施設などで働くことを想像する方も多いのではないでしょうか?
リゾートバイト求人のほとんどが観光地やリゾート地でのお仕事ですが、コロナを機に観光業が衰退し、代わりに「農業」の求人が多く取り扱われるようになりました。
「農業」求人の大半が「未経験者歓迎」のため、ホテルでフロントやレストランサービスなどの接客業務しか経験がないという方も始めやすいでしょう。
リゾートバイトの農業は、キャベツ、レタスなどの高原野菜やいちご、みかんなど果物の農家さんでのお仕事がメインです。時期や収穫物によって多少異なりますが、主なお仕事として以下4つが挙げられます。
- 苗の植えつけ
- 収穫
- 選別(選果)
- 箱詰めと出荷の準備
農業の繁忙期にあたる「収穫時期」が落ち着くと、ビニールハウスの修繕や開墾作業のお手伝いなど、普段あまり経験できないこともさせてもらえます。
農業が「きつい」「つらい」「しんどい」ってほんと?
「農業はきついからやめとけ」「農業はしんどいだけだからおすすめしない」のような声を聞くことは少なくありません。
農業でのお仕事を検討している方にとって、1番の不安要素でしょう。
結論からお伝えすると「農業はきつい」は本当です。
農業のお仕事では、まだ日も出ていない早朝から収穫をしたり、1日の大半が中腰作業だったりします。
「やっぱり…」と落胆されたかと思いますが、本記事を読んでいらっしゃる方は心配無用です。
「農業はきつい」とお伝えしましたが、農業の全てがきつい仕事ではありません。
「しんどい収穫物」や「しんどい時期」を避ければむしろ楽しい農業ライフが送れるでしょう。
農業も肉体労働なので多少の疲労は感じますが、やめたくなるほどきつい仕事ではありませんし、農業リゾバをすると得られるメリットも多くあります。
農業リゾートバイトで得られる3つのメリット
リゾートバイトで農業のお仕事をすると得られる以下3つのメリットを解説します。
- 農家さんから野菜や果物をいただける
- 田舎生活は癒しでしかない
- 早寝早起きの習慣化される
農業リゾバをすると、普段慣れ親しんだ地元を離れる不安を感じさせないくらい、田舎の優しさに触れられます。
農家さんから野菜や果物をいただける
農家さんにとって収穫時期は繁忙期です。農業リゾバでのお仕事は基本的に野菜や果物などの収穫作業がメインで、すでに育ったものを取り扱います。
ですが、収穫物によってサイズや見た目の規格が決まっており、「育った野菜や果物が全て売り物になる」ということはほとんどありません。結果として、規格外の物や傷がついて商品にならない物が出てくるのです。
そういった味は変わらないのにサイズ違いや表面の傷で規格外になった野菜や果物を農家さんは働いてるスタッフに分けてくれます。
採れたての野菜や果物は格別に美味しいですよ。
廃棄するなら美味しく食べてくれ!って作物をくれる農家さんが多いよ!
田舎生活は癒しでしかない
「3P」と呼ばれる人を癒す要素をご存じでしょうか?以下の3つに人は癒しを感じるといわれています。
- Plant(植物)
- People(人)
- Pet(ペット)
田舎生活では、農業のお仕事中はもちろん、周りは山や森のような自然も多く、植物に触れ合う機会はほぼ毎日です。
また、すでに3Pに囲まれて毎日を過ごしている地元の方々は、心穏やかな人が多く、地方からきたスタッフを優しく歓迎してくれます。
僕の場合、派遣先の年配の方から我が子のように接してもらえることが多かったので「こんなに良くしてくれているのだから頑張ろう」と仕事のモチベーションにもなっていました。
ただ、暑いし大変だったけどね…
ペットは、自由気ままな野良猫たちです。
田舎ではドアを開けっぱなしにしているところも多く、農業でも出荷の準備をする作業場のドアは開けっぱなしのところがいくつかありました。作業場にふらっと入ってくる猫たちは、みんなの癒しでした。
早寝早起きが習慣化される
農業の朝は早く、大体7〜8時集合。出荷作業のように室内のお仕事があれば残業ですが、収穫のような外仕事の場合は暗くなるとできなくなるので、夕方には仕事を切り上げて帰れることがほとんどです。
夕方に帰るとプライベートな時間もありますし、変に夜ふかしせず次の日に備えて早く寝られます。
また、24時間やっている居酒屋やカラオケもなく、朝まで遊ぶ誘惑が少ないので、規則正しい生活リズムを取り戻したい方に農業はおすすめです。
空いているのは「ガスト」のみ。(22時まで)
という状況だったので、規則正しく生活できたよ。
リゾートバイト農業で気になる3つのデメリット
リゾートバイトで農業のお仕事をすると以下の3つのデメリットが考えられます。
- 他の住み込みバイトに比べて時給が低い
- 雨の日はお休みになることが多い
- 1週間の短期バイト募集はあまりない
他の住み込みバイトに比べて時給が低い
リゾートバイトでホテルや旅館の求人を探すと、時給1,200〜1,500円が平均になります。しかし、同じリゾートバイトでも農業求人の平均は時給900〜1,100円が大半です。
また農業における労務管理においては、時間外手当や休日手当など、労働基準法の適用が一部除外されています。
適用除外となる理由は、農業自体が天候などの自然条件に左右されやすい事業だからです。
一般企業と違い天候が悪いときや農閑期など、適宜休養を取れるので時間外で働いたとしても時給は変わりません。
ただ、時給は低いですがよく食べる僕にとっては、いただき物で食費が浮くので「プラマイゼロかな」と思っています。
雨の日はお休みになることが多い
農業は天候に左右されやすいお仕事です。悪天候の場合、朝に連絡があって丸々1日お休みになったり、途中から雨が降れば、お仕事を中断して帰ったりします。
悪天候で、お休みが続けば金銭的に厳しくなるでしょう。それ以上にいきなりお休みになると、やることが思いつかず、悪天候の中お出かけをする気にもなれず暇な1日を過ごしてしまいがちです。
そんな時のために、「室内でできる趣味」があるといいかもしれません。
僕の周りでは、酵母から育ててパン作りをする人やギターを持参してみんなのために弾いてくれる人もいました。
1週間の短期バイト募集はあまりない
ホテルや旅館のような宿泊施設であれば、GWや年末年始など、1週間くらいの期間だけ人手が必要となります。
ですが、農業の場合は1週間だけ忙しいというようなことはほとんどありません。最低2〜3ヶ月や半年〜の求人募集が多くみられます。
もし、いきなり数ヶ月も農業をするのが不安であれば「1日農業体験」などを利用するといいかもしれません。
有料なとこがほとんどですが、農業への不安を払拭できるかと思いますし、農業をするかどうかの判断材料になります。
【カテゴリー別】おすすめする住み込み農業バイト
おすすめの住み込み農業バイトを以下4つのカテゴリー別にご紹介します。
- 女性におすすめ
- 男性におすすめ
- 沖縄でおすすめ
- 北海道でおすすめ
女性におすすめ「みかん農家」
みかん農家で働くと収穫や選果時はもちろん、畑での休憩中もみかんが食べられます。
喉が渇けばみかん、小腹が空いたらみかんというように、いつでもみかんを食べられるのが特徴です。
みかんにある白い筋には、水溶性の食物繊維である「ペクチン」がたくさん含まれており、腸内環境を整え便秘の改善に効果が期待できます。
他にも「ヘスペリジン」という栄養成分が、血管の老化を防いだり冷え性の改善や美肌効果も期待できたりと、美味しいだけではないのがみかんです。
男性におすすめ「ブロッコリー農家」
ブリッコリーには、筋肉に不可欠なタンパク質が100gあたり4.3gも含まれており、野菜の中ではかなりの含有量になります。
さらに、ジインドリルメタンとI3C(インドール-3-カルビノール)という成分は、女性ホルモンのエストロゲンを抑え、男性ホルモンのテストステロンを増強する働きがあるそうです。
筋トレをするとテストステロンが増え、男らしさが強調されるともいわれています。
ブロッコリー農家で働けば、収入とブロッコリー、さらに男らしさも手に入れられるので、モテたい方はやるしかないですね!
沖縄でおすすめ「マンゴー農家」
沖縄産マンゴーは、1個1,000円する高級品です。そしてマンゴーも他の野菜や果物同様に、規格外や傷物が必ず出てきます。
マンゴー好きであれば、農業のネックである時給の低さも気にならないくらいの価値が「沖縄産マンゴー(が、もしかしたら食べ放題)」にはあるのではないでしょうか。
北海道でおすすめ「JAふらの」
北海道では広大な土地を活かし、じゃがいも・玉ねぎ・カボチャなどのさまざまな農業が栄えており、繁忙期はどこの農家さんも人手不足です。
「JAふらの」は、そんな農家さんに農業者ヘルパーとして人員を派遣する「仲介」をしています。
毎年3月下旬〜10月下旬まで約100人の農業者ヘルパーが、北海道の農家さんの元へ働きに来るのです。
リピーターは仲良くなった農家さんのところへ通うこともありますが、最初はいくつかの農家さんで働けるので、1つだけでなく色んな野菜や果物の収穫作業を経験できます。
寮も約100人が同じ建物で生活し、食堂は共同なので農業仲間がたくさんできてかなり楽しいので、仲間を作りたい方におすすめです。
【初心者の方へ】おすすめしない住み込み農業バイト
僕はリゾートバイトが大好きなので、住み込みができて出会いもあって自然と触れ合える農業も大好きですが、もうやりたくない農業バイトが以下の3つです。
- 早朝作業が多い「レタス」
- ハチが飛び交う「メロン」
- 中腰作業が多い「アスパラガス」
早朝作業が多い「レタス」
レタスは暑さに弱いので、気温の低い午前3時から収穫作業が始まります。
また、レタスは切り口から出る白い液が空気に触れると、酸化して傷みや変色の原因になるため、収穫してすぐに霧状の水を吹きかけて切り口を洗浄しなければなりません。
朝が早い上に品質や鮮度のためにスピードも重要視されるので、正直しんどかったです。
ハチが飛び交う「メロン」
メロンを育てているハウスの中には、花粉交配用のミツバチが飛び交う時期があります。花粉交配は人の手で行うこともありますが、ミツバチによる交配だとより糖度が高く形の良いメロンに育つといわれているのです。
一般的にあまり人を刺すことのないミツバチですが、人を刺す可能性はゼロではありません。
僕は痛いのが苦手なので、耳元で「ブンブン」と聞こえるたびに怖くてたまりませんでした。
いただいたメロンはすごく美味しかったのですが、もう二度とやらないです。
中腰作業が多い「アスパラガス」
アスパラガスは、地面から20cm〜25cmくらいに育ったものを収穫します。しゃがみながらの体制で収穫すると作業ペースが落ちるので、中腰で収穫することがほとんどです。
農業は重いものを運ぶことも多く、腰を痛めやすいのでアスパラガスの収穫時は無理しないように気をつけなければなりません。
腰痛が心配な方にはあまりおすすめしませんが、アスパラガス農家で働くと新鮮でなければ食べられない「生アスパラガス」が食べられるので、食べてみたい方は挑戦してみてください。
リゾートバイト農業の実際の求人を2つ紹介
リゾートバイトの派遣会社で、実際に掲載中の農業求人をご紹介します。
⒈サーファー必見!種子島で「サトウキビ収穫」
勤務期間 | 2月随時~3月 |
給与 | 時給1,000円 |
仕事内容 | サトウキビ畑での収穫業務のお仕事。サトウキビの皮むき作業計量業務箱詰め業務 |
農業に興味ある方はもちろん、サーフィンを思いっきり楽しみたい方におすすめです。
派遣元のリゾートバイトダイブは初心者(未経験)の受け入れにも慣れており、派遣スタッフに対してフォローがしっかりしているので安心して働けます。
⒉大自然が広がる!積丹で「ニンニク栽培」
勤務期間 | 即日~1年以上 |
給与 | 月給208,000円 |
仕事内容 | にんにく栽培に関わるお仕事。収穫定植肥料散布 |
北海道での農業は本当におすすめで、他県と比較できないくらい広大な土地で行われており、自然を満喫できます。また、この求人は、正社員募集なので農業で安定して稼ぎたい方に最適です。
リゾートバイト農業するなら必要になるもの
農業をするにあたって必要になるものをご紹介します。安くてもいいので、揃えておくと間違いなく役立ちます。
レインウェアとヤッケ
雨の日はお仕事が少ない農業ですが、小雨であればやることもありますし、朝露(あさつゆ)で濡れることもあるのでレインコートは用意しておきましょう。
また、枝や葉っぱから肌や服を守れるヤッケもあると便利です。ヤッケは、胸元にポケット付きの物を選ぶと収穫時に野菜や果物を入れておけます。もちろん後で食べる分(笑)
長靴とアウトドアシューズ
長靴は、雨の日や土や肥料が入りやすい作業時に必要になります。外作業は、基本的に暑いのでショート丈がおすすめです。
また、長靴以外で作業する場合には、普通のスニーカーや運動靴よりアウトドアシューズやトレッキングシューズの方が疲れにくく汚れにくいので重宝します。
まとめ
農業リゾバは正直きつい。ですが、全てがきついのではなく「収穫物」や「時期」によるので、それらを避ければ「美味しい野菜や果物が食べられる」「癒しの田舎生活が送れる」などメリットの方が大きく感じます。
また、最近ではきつすぎる仕事だとすぐに辞めてしまう人が多くなったので、農家さん側も気を遣ってくれるところがほとんどです。未経験でもあまり心配はいらないでしょう。
農業をするときは、お伝えしたレインウェアやヤッケなどが必要になってきます。後で見返せるように本ページのブックマークをお忘れなく!
読んでくださった方が、自然や田舎の暖かさに触れ、美味しい野菜や果物が食べられる「最高の農業ライフ」が送れるよう応援しています。
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